アルコール度数の高さと酔いのレベル、実は関係がなかった!?
だんだん暑さが増してきた今日この頃、日が暮れてくると(昼間から?)、ビールが恋しくなる人も少なくないのでは? ということで、アルコールの話をもう1つ。
よくお酒をたくさん飲む人を「酒に強い人」といいますが、酒に強い人のイメージを分析してみると、「たくさん飲んでも顔色の変わらない人」「たくさん飲んでも気持ち悪くなったり、頭痛がしたりしない人」「たくさん飲んでも酔っ払わない人」をイメージするのが一般的ですね。
けれども、「たくさん飲んでも顔色が変わらず、気持ち悪くならない」というのと、「たくさん飲んでも酔っ払わない人」というのは、じつはアルコールの体への作用は違っていて、一概に、「たくさん飲んでも顔色が変わらない人は、飲んでも酔っ払わない」とは限らないのだそうです。
そもそも、アルコールを飲むと、多くが小腸で吸収されて血中に入り、体内を巡ったあと、肝臓で代謝されますね。このとき、アルコールがアセトアルデヒドという物質に分解され、その物質のせいで、顔が赤くなったり動機がしたり、頭痛がしたりということが生じることになります。
「お酒に強い・弱い」は、アセトアルデヒドを分解するALDH2という酵素の違いによるもの。アセトアルデヒドを早く分解できるタイプの酵素を持っている人が、お酒に強い人。分解の速度が遅いタイプの酵素だったり、うまく分解できないタイプの酵素を持っている人が、弱い人ということになります。
では、「酔っ払う(酩酊)」という感覚は、どのようにして感じるのでしょうか。アメリカの科学者がアルコール濃度と酔いの自覚に関する実験を行ったところ、アルコールを静脈注射すると、大脳の深いところにある線条体という「快楽」を感じる場所が目立って反応したそうで、なおかつアルコール濃度と酩酊の度合いに相関関係がなかったのだそう。
要するに酩酊感覚の度合いは、個々の線条体の反応レベルによるもので、アセトアルデヒドの分解能力に関係がないということなんですね。なので、逆にいうと、「いくら飲んでも酔っ払わないから、アルコール分解能力が強い」と思うのは、マズいということ。もしかしたら、脳は反応が鈍くても、肝臓は悲鳴をあげているかもしれませんから、要注意!
ちなみに、薬物中毒は、この線条体を反応させる「ドーパミン」というホルモンの濃度が上がりっぱなしになってしまうことで、薬に依存してしまうのだとか。怖い話です……。
ということで、お酒を楽しく飲むためのポイントをご紹介。
1飲む前に乳製品で胃腸の粘膜を保護
2おつまみには、野菜やタンパク質が豊富な食材を
3アルコールと一緒に水も用意
4週に2日は休肝日をつくる
「人生、アルコールとともにあり!」と思うアナタ、体をいたわりながら飲みましょう、ね。
(H&B編集部 S)
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