スズランのひ・み・つ

こんにちは。4月末~5月上旬は、俗に「黄金週間」。昔は「飛び石連休」と呼んだけれど、今どき9日間も続けでお休みが取れる人って、どれくらいいるのかな~? と思うH&B編集部のKです。

※ちなみに、一部メディア(一部の放送局、新聞など)では「昔、映画会社が作った宣伝文句であり、今はいくつかの企業が商標登録している」「『そんなに休暇が取れない』というクレームが来る」「1週間を超えるから『ウィーク』は変」といった理由で、「黄金週間」という言葉を使わないらしいです…。

祝日の多いこの時期に、平日扱いをされて久しいのが、5月1日(企業によっては、メーデーとして「休日」扱いにするところもあります)。実は、この日は「スズランの日」なんだそうです。今回は、そんなスズランにまつわるエピソードをご紹介します。

始まりは、16世紀半ばのフランス。1561年5月1日、戴冠式を間近に控えた10歳のシャルル9世(在位1560~1574)が、幸福をもたらす花として知られるスズランの花束を贈られてたいへんうれしかったようで、そののちは毎年、宮廷の婦人方にスズランの花をプレゼントするように。宮廷舞踏会では、若い女性がスズランのように白いドレスを身にまとい、男性は上着のボタン穴にスズランの生花を付けているのも、流行りになったそうな。

そんな宮廷の風習が民間に広まり、スズランは恋人たちの出会いや幸せの象徴となり、その葉と花でつくった冠をかぶって男女が花をプレゼントしあうようになったとか。

20世紀のパリでは、一般の人々が森にスズランを探しに行くようになり、「5月1日当日だけ、誰でも、根のついていないスズランを売ってよい」、ただし「花屋から100m以上離れた場所で売ること」「その売り上げに対して税金はかからない」といった、洒落たルールがあるとかないとか。

ところで。

「根のついていないスズランなら売ってもよい」という項目について、ちょっと不思議に思いませんでしたか?

その理由は、天然自生のスズランを保護するためでもありますが、実はスズランそのものに毒性がある(とくに花と根に多く含まれる)から、注意喚起しているようです。スズランを活けた水を、飼い猫などが飲むだけでも体調不良を起こすといわれています(口に入らなければ大丈夫らしいです)。

愛らしいスズランの姿からは、ちょっと想像しづらいお話ですね。

もうひとつ。

スズランの魅力は姿かたちだけでなく、清楚な香りにもありますが、この香りを再現しようとすると、実は天然のモノからはできないのだとか。花から香りを抽出し、精油をつくろうとしても、どうしてもスズラン本来の香りが失われてしまうのだそうです。

植物性の天然の精油は、数多くの香水を生み出すもとになっていますが、「スズランを思わせる香り」は今でも合成香料のみが存在するだけなのです。

スズランを思わせる香りを基調とした香水として有名なもののひとつが、1956年に作られたディオールの「ディオリッシモ」。巨匠ディオールが、生涯最後にプロデュースしたものとして知られています。有名な調香師が手がけたこのロングセラーの香水もまた、スズランの合成香料を使っているそうです。

本物よりも峻烈に、スズランを思わせる香りを基調とした香水。故ダイアナ妃も、このディオリッシモを愛した一人と言われています。

ファッションの最後の決め手はフレグランスだといいますが、「スズランの香り」が合成だというのもまた意外な事実ですよね。

風薫る5月とも言いますし、室内にも薫風を・・・てなわけで、今日は玄関に飾る花でも買って帰りましょうかっ♪                 (H&B編集部/K)

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